なぜ機関投資家はこのタイミングでTSMCを引き上げ続けるのか?
皆さん、こんにちは、右兜です。
TSMCの2025年第4四半期決算発表後、市場はすぐに反応を示しました。
しかし、本当に問うべき問題は次の通りです:
なぜこのタイミングで、機関投資家はTSMCの評価を引き上げ続けるのでしょうか?
この問題は、感覚で答えるものではありません。
本日のこの記事では、主に J.P. Morgan と Goldman Sachs が決算発表後に発表した最新レポートをもとに、機関投資家のモデルの観点から、なぜこのタイミングで引き上げを選択したのかを分解していきます。
まず結論から。
今回の引き上げは、決算が「良かった」からではなく、従来の前提が成立しなくなったためです。
J.P. MorganもGoldman Sachsも、今回の動きの共通点はただ一つ:
微調整ではなく、長期的な前提が変化したということです。
この変化は、主に三つの点に現れています。
第一の理由:AIはもはや周辺的な変数ではない
過去数年、機関投資家はTSMCのAI関連収益について、
急成長しているが、依然として HPCの一部門に過ぎず、長期モデルへの影響は限定的と見ていました。
今回の決算後、この位置付けは完全に覆されました。
機関投資家は AI accelerator関連収益を、次のように直接捉え始めています:
先端プロセスの稼働率を決定する中核変数
設備投資(Capex)のペースを決定する中核変数
さらには企業全体の成長勾配を決定する変数
AIが「選択肢」から「主要変数」に変わったとき、
従来の成長モデルは当然、全体的に引き上げられる必要があります。
これは強気な感情ではなく、構造的な変化です。
第二の理由:60%の粗利率が「常態」と見なされ始めた
もし収益面で変わったのが成長勾配だとすれば、
利益面で変わったのはバリュエーションの基準そのものです。
今回の決算で本当に重要なのは、ある四半期の粗利率が予想を上回ったことではなく、三つの点が同時に現れたことです:
2025年第4四半期の粗利率が安定的に60%を超えた
2026年第1四半期のガイダンスがさらに引き上げられた
長期の粗利率ガイダンスが明確に上方修正された
この背後にある意味は:
機関投資家は新たな前提を受け入れ始めた——
TSMCは今後数年間、粗利率の中心値が再び50%台前半に戻ることはないかもしれません。
一度粗利率の中心値が引き上げられると、
EPS(1株利益)の変化は線形ではなく、
むしろ収益力のレンジ全体が引き上げられることになります。
そのため、多くの引き上げはバリュエーション倍率を引き上げることで達成されたのではなく、 EPSが再評価されたためです。
第三の理由:Capexの「性質」が変わった
市場ではTSMCのCapexへの議論が常に存在していました。
しかし、今回機関投資家の判断が変わった鍵は Capexの規模ではなく、 なぜCapexがこれほど大きいのかという点です。
今回、機関投資家のCapexに対する定義は:
逆サイクルの大勝負ではない
ディフェンシブな投資でもない
むしろAI需要の長期的な確実性に押されて行う先行投資
言い換えれば:
Capexはもはやリスク変数ではなく、成長の可視性の結果と見なされています。
このように理解されると、Capexが評価に与える意味は全く異なるものになります。
なぜ「今」引き上げ続けるのか、もっと早くや遅くではないのか?
これは多くの人が見落としがちな重要なポイントです。
機関投資家は今日初めてAIの重要性を認識したわけでも、
今日初めて先端プロセスの逼迫を見たわけでもありません。
真のトリガーとなったのは、三つの事が同時に検証された時です:
1️⃣ AI需要が注文上のノイズではなく、持続可能な曲線となった
2️⃣ 生産拡大と海外展開による粗利率の大幅な圧迫がなかった
3️⃣ 経営陣が中長期Capexに対してより果断な姿勢を取った
この三点が同時に成立したとき、
従来の「慎重な前提」は修正せざるを得なくなります。
だからこそ、引き上げはこのタイミングで起き、決算前ではなかったのです。
私の理解
株価だけを見れば、今回の引き上げは「流れに乗っただけ」に見えるかもしれません;
しかし機関投資家のモデルの視点で見ると、これはやむを得ない修正です。
TSMCは今、
「高度なサイクル性を持つ製造業企業」
から徐々に:
「AIインフラストラクチャ時代における、構造的収益力を持つ中核資産」
へと転換しつつあります。
このような背景下で、機関投資家が引き続き引き上げるのは、積極的というよりも、むしろ遅れた反応なのです。
免責事項:本記事の内容はあくまでも筆者の意見を反映したものであり、いかなる立場においても当プラットフォームを代表するものではありません。また、本記事は投資判断の参考となることを目的としたものではありません。
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